ロンドンに来て、西洋美術史を習い始めました。
隔週で、ナショナルギャラリーに行って絵を見ながら先生のお話を聞きます。
前日ロンドンは18年ぶりの大雪が降り、この日の生徒は私と一緒に行ったAちゃんの二人だけでした。なので先生を独占して質問できてすっごくラッキー!
この日教わったTitianの絵のお話で、印象的だった点などメモしておきます。
ギリシヤ神話で、二人が出会った瞬間のシーン。
バッカスはお酒の神。絵向って右側から酔っ払って賑やかな一団を率いてやってくる。アリアドネは、恋人に去られて海に向かい手を振っているところ。絵向って左端に、恋人の乗った船がある。
この絵がナショナル・ギャラリーを代表する作品に入るのは、ルネサンス時代には珍しく躍動感のある絵だから。
ウルトラマリンブルー : タンバリンをもつ女性のスカートの色。ラピスラジュリをを使う。当時ラピスラジュリは金より高価。絵を発注する側もラピスラジュリは何グラムまで、という発注をしたりするほど。
ミラーイメージ : 白いドレスの女性とアリアドネの腕の形が鏡を真ん中に置くと対照的。チーター2匹もミラーイメージの描き方。
Titianの晩年の作品。Baccas and Ariadneの描き方と筆遣いが全然違う。前述の作品が、線をはっきり書いていたのに比べて、こちらは近くで見ると、輪郭もぼやけていてはっきりした絵ではない。が、数メートル離れると、3Dのようにマリア様とキリストが浮き上がって見える。Titianが晩年にマスターした描き方。
先生にまず、「このお洋服どう思いますか?着たいですか?」
と質問された。。着たいかといわれると、返事に困った。
続けて先生は「この紫色を見てください。すてきでしょ。」とおっしゃった。なるほどそういうことなら落ち着いたいい色だな、と思った。
髪や肩のショールの色といい、ファッション的にイタリアの洗練された色合いだとおっしゃった。
そういう絵の見方があるんだな、、、と思った一枚。
ちょっと太った貫録おばさんだな、としか思ってなかったから。
絵向って左端の男の子はキリストのいとこ、ヨハネ。長い棒を持っている人がいたらヨハネである。他には網をもっていたらローレンスなど、持ち物が決まっているらしい。
ここで私、「聖人ってなんですかぁ?」って質問。先生は丁寧にお答くださった。
バチカンの中に聖人を任命する機関があり、そこが数年~十数年かけて、その人の生前の教え、カトリックの活動、そして日記や手紙などもすべて読み、カトリックとしておかしい教えがなかったかを調べる。そしてその人にまつわる"奇跡"が二つ言い伝えられてないと聖人として認められないのだそうです。前のローマ法王ヨハネパウロ二世もマリアテレジアも、まだ調査中で聖人にはなれてないそうです。 気長な話だな。
ルネサンス期にここまでの大家族画は珍しいとのこと。そしてこの時代 割と当たり前だったのが、男女を混ぜて肖像画を描かないこと。
絵向って右側の三人の子供たちはちゃんと会って描いていると思われる。左側の三人の子供には表情や動きが豊かでないので、弟子に描かせて、仕上げをTitianが行っているか、またはこっちの子には実際に会ってないと想像できる。
The Death of Actaeon これも晩年の作品。林の向こうにいる動物まで絵の手前から奥行きを感じることのできる作品。ギリシヤ神話の一シーンで、狩の女神ダイアナが、水浴びを覗いた狩人アクテオンに怒り、鹿に変えてしまったところ、猟犬に襲われているところである。
Titianはスペインのフィリップ2世国王の依頼でこの絵を描いた。
フィリップ4世国王の宮廷画家はベラスケスである。ベラスケスは王宮の絵画の管理を任されていたが、そこで沢山のTitianの絵を見ているうちに、この遠近法の描き方をマスターしてしまった。
ということで、次回はベラスケスの絵からスタートするらしい~
この授業、想像以上に楽しいです!
絵や、キリスト教、ギリシヤ神話の話をしている時の先生が本当に目がきらきらされていて、先生の楽しさがすっごく伝わってきます~
そして週末は、主人と一緒にもう一度ナショナル・ギャラリーに行き、先生に教わった通りの講義をしたりしています。